自転車が欲しい #2

気になる1台に出会ってから

ありがちな再開発よりもコンテナヤードが残っている雰囲気の方が好きだった大阪駅の北側にグランフロント大阪がオープンした頃。そこに入っている無印良品で銀色のシンプルなクロスバイクを見つけた。mujiのサイトでは今はもう売られていないようだが、2012自転車の表紙を飾っていた1台だ。お値段32,000円。

とくにこだわっていない雰囲気と、そんなにこだわった自転車が欲しいわけじゃないしという思いから、気になるリストにするっと入り込んできた。その場で衝動買いするほどの情熱、もしくは魅力が足りなかったのかも知れないが、とりあえずのリスト入りである。以降、暇つぶし検索ワードとして「クロスバイク」が追加された。

そういえば以前、会社の人からクロスバイクでの散歩やちょっと遠乗りが楽しいとおすすめされていたことを思い出した。そろそろ1台いっとくか、もうちょっと品選びを楽しむかといった境界を行き来しながら、mujiクロスバイクからだんだんと他の自転車メーカーのクロスバイクに気持ちが移ってゆく日々。

暇つぶし検索では、クロスバイクの種類や値段、選び方、どこで買ったらいいのかといった情報を調べまわる。調べていろいろ知っていくほど、気になる自転車の価格帯がちょっとずつ上がっていき、予算はmuji号2台分くらいまでならいいかもなと思い始めた。欲しい気持ちをうまくくすぐる商品構成だ。

ちょっと変わったところとしてシマノALFINEの内装8段を採用したPanasonicエスリーCEが気になったりもした。

気になる価格帯が上がっていくほどに、何年間で何回くらい乗って1回当たりおいくらでといった試算でため息をつかせて買わせないというキャンペーンが、心の中で盛り上がりを見せる。いやいや、おとなの人はこれくらいのもの買わなきゃ、PC買うより安いんだしというよくわからない買わせるキャンペーンも同時開催。この時期がたぶんいちばん楽しい。

検索の日々、こちらもお調べになってはいかが?

検索窓にクロスバイクと打てば、ロードバイクもつられて出てくるのでついでに調べ始める。どうやらスポーツ車としてクロスバイクから入門したら、次はロードバイクが欲しくなるということらしいことがわかってきた。うーん、ロードバイクか。ドロップハンドルのあれか。気になってきた。

MTBをスリックタイヤにして街乗り楽々だったのだから、クロスバイクには乗ったことがないけど、同じようなバーハンドルだから似たような物にちがいない。同じような物をもう1回経験しなおすなんてもったいない。そう思い込むことにした。

一方、ロードバイクはドロップハンドル。こどもの頃、手に入れられなかったあの形状だ。車体の軽さ、タイヤの細さもぜひ経験したい。という思い込みも同時進行。

価格は上昇するばかり

じゃ、ロードバイクならご予算おいくらなの?忌野清志郎さんの盗まれた自転車が160万円でしたっけ。そんなに高いのは買えないとしても、まずはmuji号3台分でどうだろう。ロードバイク入門クラスってこれくらいかな、と。そう思ってしばらくネットやリアル店舗で物色してみた。

そのお値段で買える完成車としてなんとなくFELT F85というのが気になってきた。この価格帯はだいたいアルミフレーム採用。剛性を高めるためか、ぼてっとした筋肉質(?)なフレーム。ネットで見るとかっこよかったし、現物もかっこよかったけど、なんか欲しくない。なんでだろ。もっとお値段上のカーボンフレームも筋肉質。これもなんか欲しくない。正確には、欲しいと思っても財布が許しません。

予算に合わせて愛情を持てないものを買っても、長く付き合えない気がするし。うーん。