鶴に恩返し

いろいろなバリエーションがあるみたいだけど、鶴の恩返しの話。

お爺さんに助けられた鶴が人間の娘に化けてやってくる。居候して自らの羽根を使って織物を織る。お爺さんがそれを市で売り生活が楽になる。覗いてはいけない機織り中の姿を覗いてしまって、娘は鶴になり帰っていってまう。

・・・そんなあらすじだっと思う。

鶴は自分の羽根を使った織物が人間界で価値を持つこと。また、その価値を市場で交換して得た金品が、お爺さんの生活の役に立つことを知っている。だからあのような恩返しの方法を実践できた。

これらの知識を娘に化ける前から知っていたのか、化けてからしばらく人間界で暮らして身につけたのかは気になるが、恩返しのためにけっこうがんばったな、と思う。

もしこの話が助ける側と助けられる側が入れ替わったらどうだろう。例えば山道に迷いこんで危険な状況にお爺さんが陥っているところを、鶴が道案内するなりして人助けをしたというのがきっかけなら、お爺さんはどのように鶴に恩返ししたのだろうか。

鶴は何に喜ぶのか。鶴が喜ぶものを直接的に作れるのか。作れないなら、間接的にでも作ることができ、それを交換する方法(市場にあたるもの)が何であるか。お爺さんは知っているのだろうか。人間はそれを知り得るのだろうか。

まずは鶴に化けてお近づきになりたいところだか、化ける方法すらわからない。困ったことである。